~ED(勃起不全)の改善に役立つ食事~

~ED(勃起不全)の改善に役立つ食事~

以前の記事でお伝えしたように、ED(勃起不全)は生活習慣と強く関係しています。

特に、身体の健康状態と密接に関わるような習慣(喫煙、飲酒、運動など)はED(勃起不全)に大きな影響を与えることが分かっています。

そんな生活習慣の中でも、今回は食事に注目したいと思います。

海外論文を参考にしながら、ED(勃起不全)改善に役立つ食事をご紹介します。

「Dietary factors, Mediterranean diet and erectile dysfunction(食事的要因、地中海食とED)」という論文では、ED(勃起不全)と食事に関する複数の論文が解析され、ED(勃起不全)の発症率が低い人々の食事として、次のような食事を挙げています。

・果物、野菜、ナッツ類、全粒穀物、魚を多めに取る。

・赤身肉、加工肉(ソーセージやハム)、精製された穀物を少なめに取る。

さらに、このような地中海食を実践していた2型糖尿患者においても、ED(勃起不全)の発症率は低く、性生活もよりアクティブであったそうです。

上記のような食事法は、ED(勃起不全)の改善にとても効果的であると考えられます。

他にも「Dietary factors in erectile dysfunction(EDの食事的要因)」という論文において、似たようなことが言及されています。

この研究は、ED(勃起不全)に悩む100名と、健常な100名の男性を比較調査したものとなっています。

食事以外では、健常者のグループは運動不足19%、喫煙12%、高コレステロール血症13%という割合であったのに対し、ED(勃起不全)のグループは、運動不足39%、喫煙26%、高コレステロール血症26%という、健常者の約2倍の割合でした。

ここでも、運動不足や喫煙、高コレステロール血症が、ED(勃起不全)の要因になっている可能性が示唆されています。

また、BMIや体重も、ED(勃起不全)のグループの方が、かなり大きかったそうです。

比較調査の結果、食事について、次のことが判明したと言われています。

・野菜、果物、ナッツ類の摂取量は、ED(勃起不全)の男性で有意に低い。

・ED(勃起不全)の男性は、一価不飽和脂肪酸よりも飽和脂肪酸をよく摂っていた。

また、このような食事は心臓疾患のリスクにも関係しており、上記の食事を摂っている人々は、心臓疾患のリスクが低かったと言われています。

逆に、ED(勃起不全)を発症していた参加者は、心臓疾患のリスをが増加させる食事を好んで摂っていました。

さらに、砂糖入り清涼飲料水、精製穀物、ダイエット用清涼飲料、加工肉を多く摂取し、ワイン、コーヒー、緑黄色野菜を、あまり摂取しないという食事は、糖尿病および炎症のリスク上昇と関連していると報告している研究もあります。

体内の炎症もED(勃起不全)の要因のひとつでと考えられているので、体内で炎症を起こさない食事を心がけることも大切でしょう。

体内の炎症を起こさないためには、炎症食(inflammatory foods)の摂取を減らし、抗炎症食(anti-inflammatory foods)の摂取を増やすとよいでしょう(炎症食や抗炎症食の説明については、以前の記事でお伝えしたので省略します)。

これまで、ED(勃起不全)の改善に効果的な食事について見てきましたが、やはり一般的に健康だと言われている食事を摂ることで、ED(勃起不全)のリスクが低くなるということが分かりました。

その反対に、一般的に不健康であるとされている食事は、ED(勃起不全)のリスクを高めます。

ED(勃起不全)の改善には、地中海食を実践してみてはいかがでしょうか…。

地中海食については、↓のサイトが参考になると思いますので、ぜひ、ご覧ください。

生活習慣病対策に効果的!地中海食を実践するには?

生活習慣病対策に効果的!地中海食を実践するには?|食べるからだメンテナンス|おいしい大麦研究所
生活習慣病対策に効果的!地中海食を実践するには?からだの中から整える食生活のすすめをご紹介しています。

参考文献

Esposito, K., Giugliano, F., Maiorino, M. I., & Giugliano, D. (2010). Dietary factors, Mediterranean diet and erectile dysfunction. The journal of sexual medicine7(7), 2338-2345.

ScienceDirect

Esposito, K., Giugliano, F., De Sio, M., Carleo, D., Di Palo, C., D’armiento, M., & Giugliano, D. (2006). Dietary factors in erectile dysfunction. International journal of impotence research18(4), 370-374.https://www.nature.com/articles/3901438